
春が近づくと田舎で見かけるふきのとうは、身近な山菜の一種で食べると美味しいですよね。
ふきのとうは比較的入手しやすい山菜ですが、食べ過ぎや生食が危険な野菜だと知っていますか?
当記事ではふきのとうを食べる時に注意したい毒性やアレルギーの詳細と、安全な食べ方・下処理の方法についてまとめています。
食べ過ぎや生食は危険!ふきのとうの毒性とは?
食べ過ぎ・生食が危険な理由は、ふきのとうが毒性を持つためです。
ふきのとうに含まれる毒性は“フキノトキシン”と呼ばれる成分で、アルカロイドの一種。
アルカロイドは少量の摂取であれば肝機能向上の作用が期待できますが、多量摂取すると“アルカロイド中毒”を引き起こし、下痢や肝癌を誘発する危険があります。
フキノトキシンはふきのとうのアクに含まれる成分なので、下処理の段階でアク抜きを行えばほとんど取り除けます。
ただ食べ過ぎは必然的にフキノトキシンの大量摂取につながりますし、“アク抜き=茹でる作業”なので生食してもフキノトキシンを大量摂取することになります。
ちなみにフキノトキシンはふきのとう全体に含まれる毒素ですが、中でも根っこの部分に多く存在しています。
フキノトキシンの摂取量を減らすため、ふきのとうを収穫する際は根元より上をはさみで切ってくださいね。
ふきのとうのアク抜き方法
下処理をきちんとすれば、ふきのとうの毒性は最小限に抑えられますし、ふきのとうのアク抜き方法は意外と簡単です。
ふきのとうのアク抜きは、クックパッドに写真付きで手順が記載されています。
もし茹でるのが面倒な場合、時間はかかりますが以下の方法でも灰汁抜きができます。
- ふきのとうの掃除(クックパッドの手順1・2)を済ませた後、多量の塩で1つ1つをよく揉む
- 2時間以上冷水にさらして完了
ふきのとうは茹でた後の調理がおすすめですが、ふきのとう独特の歯ごたえや風味を味わいたい方は、塩でアク抜きした後に生食してください。
ネット上には「ふきのとうは下処理なしで食べられる」と伝えているサイトもありますが、一度摂取した毒性は体内にどんどん蓄積されます。
今はよくても将来的に病気を発症する危険性もあるので、調理前の灰汁抜きは必ず行ってください。
ふきのとうにはアレルギーがある?
ふきのとうは毒性以外にアレルギーを発症する可能性もあり、菊の花粉アレルギーを持つ人が、より発症しやすいとされています。
アレルギーの原因物質は雄花の花粉で、
- のどの腫れ、痒み
- 顔の腫れ
- 下痢
- 嘔吐
- 発疹
といった症状を引き起こします。(症状がひどいと、稀にアナフィラキシーショックを引き起こす危険性も…)
ふきのとうアレルギーは調理法にもよりますが、食後4時間以内には症状が出る可能性が高いです。
ふきのとうを食べて数時間後にアレルギー症状が出た場合、アレルゲンの候補としてふきのとうも疑うようにしてください。
またアレルギーの原因になる花粉を飛ばす雄花の見分け方ですが、ふきのとうの花の色が黄色の場合は雄花、白の場合が雌花です。
雌花と雄花は隣接して植わっていることが多いため花粉を完全に取り除くのは難しいですが、アレルギーが心配な方は雄花の収穫は避けるようにしましょう。
まとめ
ふきのとうの食べ過ぎや生食が危険な理由は、ふきのとうに含まれている毒性“フキノトキシン”の大量摂取につながるためです。
食べ過ぎの基準ですが、1回の食事で多くてもアク抜きされたものを5個以下に抑えるようにしてください。(できれば毎日食べるのも控えましょう)
またふきのとうは毒性以外に、アレルギー症状を引き起こす可能性があります。
菊の花粉アレルギーを持つ方やアレルギー体質の方は、ふきのとうを食べた後の経過にも注意し、場合によっては食べるのを控えてくださいね。